次世代エネルギーのうち、核融合発電の分野について調べてみましたので、まとめておきます。
核融合発電って?
科学アレルギーな方もいるかもしれませんが、出来るだけ簡単に説明すると、原子と原子が融合して別の原子になることを核融合といいます。
この核融合では莫大なエネルギーが放出され、これを利用して発電しようというのが核融合発電になります。
核融合発電のメリットは二酸化炭素を排出しないことや、エネルギー源として必要な水素が大量に存在すること、放射性廃棄物の排出が少ないことなどが挙げられます。
現在の原子力発電は、核分裂を利用した発電で、二酸化炭素を排出しない点などは同じですが放射性廃棄物(使用済み核燃料)が大量に出てしまいます。
高レベルの放射性廃棄物の処分はかなり大変なので、それがほとんど出ないというメリットは大きいかと思います。
核融合発電の現在地
核融合発電の研究は1950年代から始まり、現在に至るまで実用レベルのものは誕生していません。
2050年代以降に実現するのでは?と言われていましたが、近年、急速に研究が進み早ければ2030年代にも実用化されるのではと言われています。
現状ではまだ開発途上であり、核融合発電所一基分の発電量は多くありませんが、将来的には原子力発電所一基分、もしくはそれ以上の発電量が予想されています。
また、核融合発電所の建設コストも現在は原子力発電所と比較すると高額ですが、研究が進むと同等程度かそれ以下になることが見込まれています。
どんな使われ方をするのか
核融合の技術は発電や宇宙開発など考えられていますが、目下のところは核融合発電です。
現在、世界各国で研究が進んでいますが、日本の上場企業で関連している会社には以下のようなところがあります。
①(5801)古河電気工業
核融合炉で使用される超伝導磁石の巻線を長年研究・製造してきた会社。国内はもちろん、海外の実験炉でも使用されており、実績がある。
②(7711)助川電気工業
核融合のエネルギーを取り出すために必要なブランケット(液体金属ブランケット)の開発に携わり、その試験装置を2025年に製造。
③(7011)三菱重工業
国際協力で推進される核融合実験炉向けに世界最大級のコイル(トロイダル磁場コイル)を製造・納品。他の装置も受注。
まとめ
- 核融合発電は二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギー源として世界で研究開発が進んでいる
- 早ければ2030年代に実用化する可能性がある
- 核融合発電所一基で原子力発電所一基分もしくはそれ以上の発電が可能
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